現在、行っているレッスンの特徴として、形を覚えるという事があります。
この形を覚えるという事により、私が想像している理想的なプレーヤーと同じ様なプレーヤーを育てたい。
なんていう事は考えていません。
重要なのは、型にはまることではなく、イメージを作るという事です。
コート上では良く聞く言葉ですが「もっと早く」、「もっと強く」そんなアドバイスを私も受けてきました。
そのようなアドバイスを受けて、実行できるのはどのような時でしょう?
おそらく、そのシチュエーションが頭の中でイメージできている時ではないでしょうか?
想像できないことを、現実に行う事は不可能です。
想像できるようになるという事と、実際に出来るという所には越えなければならないハードルがありますが、想像できると、想像できないでは大きな違いがあります。
得意なショットを持つことは必要です。ですが、それ以外を切り捨ててしまうと非常に小さなテニスになってしまいます。
この様な事は、スポーツに限ったことだけではありません。
皆さん、絵画でも同じようなことを感じたことはありませんか?
私が、一番いいと感じる絵画は、写実的な絵画です。
現実にありそうな、私の想像が及ぶ範囲の映像を、綺麗に表現されているものです。
逆に、こんな絵が評価されているなんて、と感じるものもあります。
そういったものは必ず、私の想像の範囲外にある物です。想像が及ばないものには、拒絶さえ起こります。
ふと、あるとき気づいたんです。私の想像できないものは存在しえないと考えていたことに。想像力を広げようとしていなかったことに。
テニスにおいて、これしかないという固定観念を取り払い、さまざまな技術があるという事を知ってもらいたい。
プレーヤーの想像力を刺激する。それこそが本来のカタチを覚える理由だと思っています。