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1月 15 2015

[コラム]横向き(セミオープン)の重要性

SSSS5553-1
テニスというスポーツはネットを越え、相手コートの中にボールをバウンドさせなければなりません。
ラケットの進化により、簡単にボールが飛ぶようになった今、ボールをどれだけ飛ばすかではなく、スピードと回転を残したままいかに“抑えるか”が重要になっています。

この、抑える動きを作るためには“腕を押し離す”意識が必要です。
ボールを打つ時の力の入れ方としては、引き寄せる力と押し離す力の2通りがあります。
引き寄せる力というのは体の前側の筋肉を使い、日常生活でも使う機会が多いためすぐに使いがちです。ですが、手先の動きになるため故障につながりやすく、再現性が低い動きになってしまいます。

押し離す動きには背中側の筋肉を使う

体の後ろ側の筋肉を意識する事がスイングを作るためには有効です。
横向き(セミオープン)で、準備をすることによって腕を引き寄せる動きではなく、“押し離す動き”を作ってくれます。

ボールに対して腰が正面向きスタートと、横向きスタートを比較してみると
打つ前(腰正面)から打った後(腰正面)でラケットを振ると、ラケットを引き寄せる動きになりやすく、体の前側の筋肉を使う。
それに対して、打つ前(腰横向き)打った後(腰正面)では、ラケットをネット方向に振り出しやすく、その反動を支えるために体の後ろの筋肉を使う。

更には、テイクバックにも関係してきます。テイクバックが大きすぎると引き寄せる力になりやすくなってしまいます。テイクバックが背中方向へ大きすぎるジュニアが多いのも使いやすい引き寄せる力を使うからです。ここは、体の成長と共に修正するべき点でもあります。

スイングを押し離す動きにすることで、大きな筋肉(体幹)で軸を支えヘッドスピードを上げることが出来ます。そのため、回転とスピードを残したままボールをコート内に抑えるという動きを作りやすくなるでしょう。

ナダルの背筋がすごいというのはよく聞きますが、強力なスイングを支えるためには背筋もその重要な役割を担っているという事です。