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2月 07 2015

[コラム]子供の能力は遺伝によるもの?

2014ジュニアキャンプ風景私たちは普段、運動連鎖と再現性を意識してレッスンを行っています。

運動連鎖とは、テニスにおいてボールを打つ行為のために、足から腕、そしてラケットへと、各部の動きを力に変えて伝えるという事です。
フットワークやスイングワークを改善すると、運動連鎖がスムーズに繋がるようになり、効率よく少ない力でもラケットヘッドを加速させることが出来ます。

ところで、スポーツを行う上ではよく、運動神経がいい、悪いと言われますが、この運動神経とは先天的なものなのでしょうか?それとも、後天的なものなのでしょうか?

バイオメカニクスからの研究結果によると、遺伝的影響が大きいものは筋繊維組成、速筋と遅筋の割合だそうです。
そして、動きの正確性や再現性は遺伝的影響よりも、練習などによる後天的な影響が大きいとの事です。
つまり、スポーツの上手さはトレーニングによっておおいに改善の余地があるという事です。
このようなことは私たちも経験的に感じているものです。
子供の頃、非常に能力が高かった選手よりも、こつこつと練習を積み上げてきた選手の方が数年後、良い成績を残すようになるという事はよくあることです。

では、能力の改善に適した時期はあるのでしょうか?
運動神経とは、脳神経の機能的発達によるもので、体の発達よりも早い段階で起こります。そのため、動きの技術を習得するには低年齢であればあるほど良いとされています。

この時期にさまざまな動きを偶然ではなく、分類分けされた形で習得することは非常に効果が高いと考えています。

テニスというスポーツは動きの速さだけではなく、ボールをコントロールする技術、試合に勝つための戦略など、同時に行わなければならないことが多く、難しいスポーツだと思います。ですが、難しいからこそさまざまな所にチャンスがあり、トレーニングによる効果を実感しやすいスポーツだともいえます。
動きの技術を習得し、再現性を高めていく。そのような手順がテニスにおいて上達の近道なのではないでしょうか?