«

»

3月 23 2015

[コラム]意識と無意識

よく、「速くは打てるけどゆっくりは打てない。」という話を聞きます。
ベースラインではラリーが出来るけど、ショートラリーは苦手というパターンです。
こういう方は体の反動を使うのが上手ではあるが、ほぼ無意識に動作を行っているため、意識的にゆっくり動かそうと思うと、どうやっていいのかわからなくなってしまうのです。

逆に、「ゆっくりのボールなら打ち返せるが、速くなると全くタイミングが合わない。」
こんな時は体の動かし方のイメージはあるが、リズムや体の反動を使えていないので、ペースが変わると打てなくなるのです。

「ゆっくり」と「早く」は、どちらが簡単なのでしょう?

まず、動作をゆっくり行う事で思い浮かぶのは太極拳ではないでしょうか。
ゆっくりとした動きで姿勢や、体の使い方を覚えます。
ゴルフの宮里藍選手もスイング動作をスローモーションで行うトレーニングを実践していますが、このゆっくり、見た目以上に難しいです。
なぜなら、継続的に筋力を使い、そもそも動きのイメージが無ければ動かすことができないからです。

では、速く動かす方が簡単なのでしょうか?
動作を早くするにはまず、スピードに応じた筋力が必要になります。
そこからラケットを早く振る事を考えると、鞭のようなしなる動作が必要になり、しなる動きのため、体の反動と、タイミングを合わせるためのリズムが必要です。
この、反動と、リズムが合わない場合は意識的に練習しなければなりません。

ゆっくり動かすためにはイメージが必要
速く動かすためには体の反動とリズムが必要

無意識にできていることを、意識的に理解する。理解したことを無意識に出来るようにする。やはり、どちらも必要な能力です。

こういう話はスポーツに限らず、言葉においてもよくあることですね。
子供の頃使用した言語は覚えるのも早いが忘れるのも早いと言われます。
子供の様に感覚のままの言葉なのか、または、大人の様に言葉を意識的に選びながら使うのかの違いです。
何事においても意識的な所と、無意識なことを繰り返すことによって、より確かなものになるのだと思います。